StrCmpLogicalWの文字の並び順について

Windowsのエクスプローラー等で用いられるファイル名の並び順は、数字も順番に並べてくれる（ナチュラルソート）など、高度な技術が使われていますが、文字の並び順も文字コード順ではなく、意外と難解な仕組みになっています。今回、文字の並び順に特化して、これらを実現しているWindowsのStrCmpLogicalW関数のソート順を検証し、一覧化してみました（ナチュラルソート／自然順ソートについては触れません）。

一覧表の仕様：

• 表示順：日本語ローケルでのStrCmpLogicalWの並び順
• 表示項目：①文字、②Unicodeコードポイント、③UTF-8、④CP932コード、⑤Unicodeの英文文字名称。※並び順は便宜的に付与したものです。
• 対象文字：CP932の2バイト文字範囲内のUnicode文字、および1バイト文字の0x20～0x7E、0xA1～0xDFの一文字が対象。

考察1：

• いわゆる辞書順に近い。
• アルファベットは、大文字→小文字→全角大文字→全角小文字の順。
• ひらがな・カタカナは、半角カタカナ→全角カタカナ→全角ひらがなの順。
• Unicode照合アルゴリズムとは微妙に違う。
• アルファベット部分の中に、「℃」「㎜」などが混じっている・・・。
• 漢字部分は基本CP932コード順ですが、なんと丸付き文字「㊨」や、かっこ付き文字「㈱」が混じっている・・・。
• Windows界における社会インフラ的ソートアルゴリズムなのに、仕様が非公開？なのは謎。

考察2：

• これらの文字を「ファイル名として使用した場合」、さらに並び順が異なることが判明（ファイル名に使用できない文字もありますが）。しかもエクスプローラーや主要ファイラーによっても異なりますが、主な傾向は下記のとおりです。
• 拡張子を付与すると、12(10)～35、1～9、36～のような並び方になる（ファイル名と拡張子との区切りの“ピリオド”によるものか？→というか、ファイル名の次の文字によって1～9の優先順位が下がる？※）。
• 6,7は7,6、8,9は9,8の順になることがある。
• 7477～7484はUnicode順で並ぶことがある。
• 7477～7484は前の文字も見ているのか、並び順が変わることがある（踊り字の並び順を仕様に盛り込んでいる？※）。
• 1～4が、3,4,1,2と並ぶことがある。
• 結局フォルダー表示で先頭にファイルを表示させるのは、ファイル名に半角の「!」を付けるのが良いと思われます。
• どうも※印の挙動から、並び順1～9、7477～7484は特別扱いされている（前の文字との関連性が強い文字）ものと推測。
• これ以上突っ込むと、StrCmpLogicalW関数全体の話になるので、この辺でやめておきます。

注意：

• この一覧表はあくまで「一文字単位」での並び順を示しており、仕様全体を網羅しているものではありません。
• ファイル名として使用できない文字も含まれます。
• 今回はCP932に範囲を限定していますが、Unicode全体に広げるともっと違うものが見えてくるかもしれません。

補足：

• StrCmpLogicalWの仕様を再現したい場合は、Windows版pythonやVBAなどから、StrCmpLogicalW関数を呼び出してください（詳細はChatGPTまで）。

StrCmpLogicalWの並び順一覧（CP932範囲内のUnicode限定）