Unicode照合アルゴリズムによる並び順について

macOSのFinderなどで見られるファイル名の並び順は、単純な文字コード順ではなく、Unicode照合アルゴリズム（Unicode Collation Algorithm：UCA）に基づいた、より複雑なルールになっています。本ページでは、特に日本語ロケール（ja_JP）における照合順に着目し、UCAに準拠した日本語照合順を提供するICUライブラリの並び順を、文字単位で検証・一覧化しました。なお、ナチュラルソート（自然順ソート）については今回触れません。

一覧表の仕様：

• 表示順：ja_JPロケールにおけるUnicode照合アルゴリズム（UCA）に基づいたICUの並び順
• 表示項目：①文字、②Unicodeコードポイント、③UTF-8、④CP932コード、⑤Unicodeの英文文字名称。※並び順の番号は便宜的に付与したものです。
• 対象文字：CP932の2バイト文字に該当するUnicode文字と、1バイト文字（0x20～0x7E、0xA1～0xDF）

考察：

• 並び順については、いわゆる辞書順に近い。
• かっこの近くに「㈲」「㈱」があるのは、実務をよく考えられて作られている？
• 数字部分に丸数字が混じっているが、①の次に⑩が来るなど、惜しい。
• アルファベットは、小文字→全角小文字→大文字→全角大文字の順（StrCmpLogicalWとは異なる）。
• ただし、その中にローマ数字（Ⅰ、Ⅱ…）や単位記号（㎝、㎏）などがしれっと混ざっている・・・。
• ひらがな・カタカナは、半角カタカナ→全角ひらがな→全角カタカナの順（StrCmpLogicalWとは異なる）。
• さらに、その中に「㌃」「㌔」などが割り込んできている・・・。
• 漢字部分は基本CP932コード順ですが、異体字を考慮した並びになってます。
• 丸付き文字（㊧㊨、㊤㊦㊥）などは、どうしてこの部分に配置されているのでしょうか・・・。
• macOS版EXCELの並び替えもこのような並び順となります。

注意事項：

• この一覧は「1文字単位」での照合順を示したものであり、UCAの全仕様を網羅しているわけではありません。
• ファイル名として使用できない文字も一部含まれています。
• 対象範囲はCP932の範囲に限定しています。Unicode全体に広げると、もっと違うものが見えてくるかもしれません。
• macOSのターミナルでのlsやsortの出力結果は異なります（ja_JPを指定しても、実際には異なるロケールを参照している模様）。

参考：

• Unicode Collation Algorithm - Default Unicode Collation Element Table
• 日本語ロケール向けの照合順序（tailoring）

補足：

• この表の作成には、PythonのPyICUライブラリを使用しています。詳細なコード等については、ChatGPTまで。

Unicode照合アルゴリズムによる並び順一覧（CP932範囲内のUnicode限定）