第三世代ケータイ基地局設置比較表
はじめに
群馬県内のFOMA・FOMAプラスエリア(NTTドコモ)、CDMA 1X(KDDI)、SoftBank 3G(ソフトバンク)対応の携帯電話基地局設置比較表です。地区別に比較しています。なお、屋内局は除外しています。
本資料は当方の調査範囲での比較表ですので、正しい情報を反映しているものではありません。あらかじめご了承ください。
携帯電話基地局設置比較表(群馬県)
(省略)
設置状況と考察(~2010年12月)
2010年12月記載。
- NTTドコモ:相変わらず地味に基地局を作りまくっています。民家がわずかしかない山奥の秘境にも、Bフレッツの回線があれば基地局を建設しています。しかし、2006年上期に小型の光張り出し局を大量に建設しましたが、不思議な事にその局のすぐ近くにDCN-AGL型の大型局を建設する場面が増えてきています。回線容量が足りないのか、800MHz帯の品質向上なのかよくわかりません。また、以前は大型局は半径1.5km毎のサービスエリアを想定していたようですが、最近の置局状況を見ると、半径750mで設計しているような感じがします。
- au(KDDI)N800M-1X:2007年下期あたりからちらほら見えたN800M-1X対応局ですが、今はFOMAに追いつけ、追い越せとばかりに置局しまくっています。ドコモの基地局の近くに置局するのも特徴的です(マニアの間ではドコモ隣接の新規au局を「パクリ1局」「パクリ2局」・・・などと呼んでいた(笑))。また、かなり山奥にも置局してます。しかし、せっかくHiCAP・TACS・PDCをやめてCDMA方式に統一できたのに、2G-1X方式やN800M-1X方式とシステムを増やしており、苦労が伺えます。なお、CDMA方式の置局が落ち着く少し前(?)頃、auのホームページ「サービスエリア拡大・品質向上」のページに、なぜか群馬県だけが掲載されないという珍事件(笑)が発生。
- ソフトバンク 3G:2010年夏あたりから、小型局を中心に新規基地局建設ラッシュです。あちらこちらで建設中の基地局を見かけます。いよいよ本気になったという事でしょうか。一部の局で1.5GHz帯のアンテナの増設を見かけます。また、新規基地局は局名を掲示しないようになっているのと、局名を掲示してあった局は局名プレートが外されている事例もあります。
- イー・モバイル:2007年夏から約1年半がかりで基本的なエリアを作成した後は、基地局置局のスピードが遅くなっています。またどういうわけか、小型局を人口の少ない町(村)の役場や学校付近に建設するのも特徴的です。
- UQコミュニケーションズ:auの基地局に寄生する形でエリアを増やしています。また、意外なところに小型局を建設するのも特徴的です。群馬県内のエリアはかなり割り切っていて、前橋・高崎・藤岡・渋川の一部の他、東毛地区をターゲットとしています。
設置状況と考察(2006年度下期~2007年度上期)
- NTTドコモ:前期に引き続き、小型の基地局を超大量に増設しました。目指すは「住宅街カバー率100%」のようで、一部数世帯~十数世帯だけの集落をカバーしている基地局も確認できました。とにかく、ひたすら地道に携帯電話の基本である基地局をコツコツ建てている感じがします。加入者数純減などの厳しい側面もありますが、将来的にはこの施策は当たると思っています。ちなみに一部の基地局調査マニアの間では、未だに2006年9月の基地局大量設置による追従不可能のショックから抜け出せない状態が語り継がれています。
- au(KDDI)CDMA 1X:群馬県内では800MHz帯の増設はほぼ終息し、2.1GHz帯の建設が始まりました。この2.1GHzは当初は市町村役場周辺をピンポイントに建てていたようですが、最近ではその周辺に広がっているようです。しかし、それほど勢いを感じないのが特徴です。なお、現在のインフラで将来、携帯電話網を維持できるのでしょうか。ちょっと不安な側面もあります。
- ソフトバンク 3G:NTTドコモと同じく小型の基地局(光張り出し局)やリピーター局を建設し始めました。一部では、光張り出しとリピーター局のオンパレードの地域もあります。しかし、NTTドコモとは違いそれほど設置の勢いを感じていません。また、まだまだエリアに穴があるのが特徴で、電波状態に関する不満を抱えている人は多いのではないでしょうか。2.1GHz帯しか保有しない事から、ドコモ以上に気合いを入れないと不満解消には繋がらないかもしれませんが、遠く及ばないのが現状です。ちなみに、ドコモの基地局のパクリと思われるような場所に基地局を設置した例もあります。料金プランだけではなく、ついに基地局設置場所まで真似るようになったのでしょうか(笑)。
設置状況と考察(2006年度上期)
- NTTドコモ FOMA:2.1GHz帯のあまりの扱いの悪さにしびれを切らしたのか、群馬県内では5月下旬あたりからコスト低減可能な光張り出し方式の基地局を大量に増設し始めました。今までの基地局の半径約1.5kmでサポートできない領域を徹底的に穴埋めするように設置されているのが特徴です。またドコモの公式発表を見るあたり、一般ではなかなか入手しにくい地名(地元しか分らないような地名)が出てくる事から、相当気合いを入れて調査をした事がうかがえます。今後は、さらに地形に配慮し住宅街をピンポイントとした基地局配置をするものと思われます。ただ、バックボーンとして光ケーブルを用いているため、これらの敷設遅れが目立っているのが難点です。またこれとは別に、山間部などでは従来2.1GHz帯のみの基地局でFOMAプラスエリア(800MHz帯)の電波を出すなど、品質の改善を行っている様子がうかがえました。
- au(KDDI)CDMA 1X:ドコモやボーダフォンと比較すると余裕があるのか、それほど基地局は建設されないような感じでした。建設場所は、どちらかというとエリア拡大のような感じでした。
- ボーダフォン 3G:先期と比べると、あまり勢いが感じられなくなりました。ただ、郊外・山間部の基地局でも大量処理可能タイプの基地局装置を設置していたので、何か理由があるのかもしれません。
設置状況と考察(2005年度下期)
- NTTドコモ FOMA:引き続きFOMA単独局の設置が多く見られました。また、後日PDCを併設している例が多いようです。工事完了後、開局まで時間がかかるのがポイントです。
- au(KDDI)CDMA 1X:基地局工事が一段落ついたかと思いきや、突如2G-1X方式のアンテナの増設、および鉄塔を建設し始めました。2G-1X方式の単独局は、従来の基地局配置を補完するように置局されているようです(かなりうまいやり方)。工事完了後(完了前に?)の開局の早さはピカイチです。
- ボーダフォン 3G:猛烈な勢いで基地局を建設しました。基地局数ではauの800MHzを上回ったようです。人口密集地では350m程度の間隔で基地局を建設するなど、他の事業者には見られない荒技を実施しました。相変わらず工事完了後に開局しない基地局も多いですが、ほとんどが光ファイバーの敷設の遅れです。この状況を改善するためか、2005年下期は局間無線エントランスを設置する例を何件か目撃しました。
設置状況と考察(2005年度上期)
- NTTドコモ FOMA:前年度と同じく、FOMA単独局の設置が多く見られました。また、PDCを併設している例も多いようです(詳細未調査)。開局後にアンテナを特定方向に増設するなどの、謎の工事をいくつか確認しました。
FOMAの電波特性はかなりシビアなようで、苦労が伺えます。PDCのアンテナという情報があります。 プラスエリアについては、2004年夏頃から工事を始めていたようですが、2005年5月、9月で大半の基地局が開局しました。しかし、FOMAと、FOMAプラスエリアはどうしてあのような区分けにしたのか、不明です。 - au(KDDI)CDMA 1X:ユーザー数増大に伴うと思われる基地局設置工事が目立ちました。例のごとく意外なところに建設される例が多かったです。また、エリア拡大もわずかながら実施されました。2.4Mbps化工事も随時実施されました。
- ボーダフォン 3G:あまり局数は増えませんでした。また、ボーダフォンショップでもお住まいの地域の電波状況によっては3Gを積極的には勧めないような話しも聞きました。PDCの約2倍の局を建設したのにも関わらず、まだまだPDCに追いつかないというのは、よほど電波特性がシビアであるのだと思います。
設置状況と考察(2004年度下期)
- NTTドコモ FOMA:FOMA単独局の設置が多く見られました。2.1GHz帯の電波特性が影響しているのでしょうか。
- au(KDDI)CDMA 1X:2004年上期は比較的基地局設置が少なかったのですが、11月頃から急に増えだしました。例のごとく意外なところに建設される例が多かったです。また、一部では、ドコモ800MHz PDCを意識した(?)基地局設置(エリア拡大)がありました。
- ボーダフォン VGS:急に基地局設置数が少なくなりました。また、光ケーブルまで引かれているのに開局しない例も多かったです。クリアな通話品質を確保するには、まだ多くの基地局設置が必要だと思います。
設置状況と考察(2004年度上期以前)
- NTTドコモ FOMA:主要PDC基地局にFOMAを搭載し、不感地帯をFOMA専用局の建設によってサポート。郊外では、おおむね3km間隔の基地局配置。
- au(KDDI)CDMA 1X:人口密集度を意識した基地局配置の感じがします。2004年建設基地局は、意外なところに建設される事が多かったです。群馬東毛方面では、比較的基地局密度が薄いような感じがします。
- ボーダフォン VGS:2003~2004年にかけてIMT専用局を異常増殖させ、主に2種類の鉄塔・2種類の送受信装置を大量に使う事によりコスト低減に努めた(ただし、アンテナの種類や設置形態は数パターンある模様)。計算し尽くした(?)3km間隔の基地局配置が特徴。アンテナの高さは意外と低い。開局前、鉄塔・アンテナ・電力線の整備はできたが、専用線の引き込みが行われていない例が多かった。過去の反省より、富岡方面に基地局を大量増設。